鐘崎職人 Craftsman

【趣味】旅行
地元愛に溢れたかまぼこづくり
生魚からすり身を作る伝統技術を、現代に継承する「かまぼこ塾」。鐘崎の中でも特に昔ながらの技を大切にするこの部署で、高橋さんは日々かまぼこづくりに取り組んでいる。そんな高橋さんが鐘崎職人を目指そうと思ったきっかけは、地元である宮城・仙台への愛だった。
「もともと、ものづくりに興味がありました。地元の特産品である笹かまぼこを作る職人になることができたら、自分が育ってきた地元への恩返しになるのではないか思ったんです。」
地元への貢献という思いから入社した鐘崎で、高橋さんはかまぼこづくりの面白さを知ることになる。
「かまぼこは土地によって材料や作り方に違いがあります。ということは、この仙台という土地で鐘崎が作っている笹かまぼこは、他にはない、唯一無二のものなんですよね。そのことに気付いてからは、かまぼこづくりの魅力にのめりこんでいきました。」
今、とくに高橋さんがこだわるのは、『ちぎり揚げ』と呼ばれる揚げかまぼこだ。タコや玉ねぎなど具材を混ぜ合わせたすり身を、指でちぎって揚げていく。素朴な見た目と、素材感のあるプリッとした食感が魅力だ。
「食感を良くするために、すり身をちぎるときは、立体的な『球』をイメージしています。平べったい『円』になってしまうと、揚げたとき厚みが出ないんです。『球』でちぎると、油の中でふんわり膨らんで、よりおいしく仕上がるんですよ。経験から培った技で、かまぼこのおいしさをどんどん追求できる。本当に面白いですよね。」
今ではかまぼこ塾の一員として、なくてはならない存在となった高橋さん。そんな高橋さんが仕事をするうえで大切にしているのは、お客様を思う心だ。
「かまぼこを作っているとき、私はよく、これを食べたとき、お客様はどんな顔をしてくれるかな?と考えます。料理は愛情だという言葉を聞いたりしますが、かまぼこづくりもそうなんです。お客様への愛情、そして一緒に仕事をしているメンバーへの愛情。メンバー全員が愛情をもって臨むことが鐘崎のかまぼこづくりの基礎となっています。」
お客様へ向けて一言
「生魚からかまぼこを作ることができる職人は、全国的に少なくなっています。伝統技術を受け継いでいるのは鐘崎職人の強みです。かまぼこ塾で作っている製品は、ここ宮城の歴史や風土と共に育まれたものなので、ぜひその美味しさを感じていただきたいですね。」