鐘崎職人 Craftsman
【座右の銘】一期一会
【最近の出来事】新しい家族が増える
圧倒的責任感から生まれる、上質な笹かまぼこ
須藤さんは、かまぼこの原料となるすり身をつくる「擂潰(らいかい)」工程のチーフを務める。その丁寧な仕事ぶりから、社内では、「彼にすり身づくりを任せれば間違いない!」という声が後を絶たない。周囲の評価を裏付けているのは、須藤さんのすり身作りに対する真剣さと、強い責任感だ。
「かまぼこづくりにおいて最も大切なのは『かまぼこに対しての誠実さ』だと思っています。生半可な気持ちでは、鐘崎ならではのぷっくら食感の笹かまぼこは生み出せません。とくに擂潰という工程は、徒競走でいうスタートラインです。人間も、この時点で体のコンディションを整えていないと、その後の良い走りはできませんよね。それと同じで、擂潰の時点でしっかりとすり身の状態を見極めることで、笹かまぼこの良い食感をつくり出すことができるんです。」
須藤さんのすり身を見つめる目は常に真剣そのものだ。
「一番気を配るのは、すり身に調味料を混ぜ合わせていく攪拌(かくはん)作業です。最初は魚肉だけですりはじめ、ちょうど良い柔らかさになったら、徐々に塩やその他の調味料を調整しながら混ぜ合わせていきます。経験がなければ難しい作業です。一つ一つの作業・判断に責任をもって、すり身に向き合っています。」
かまぼこの良い食感を生み出すために、作業のタイミングを見極める須藤さん。その感覚は、自身の経験や努力から培われたものだという。
「基礎の部分は、一から先輩方に教わりました。ただ、私が教わった直属の先輩は、『俺の技をしっかり目に焼き付けろ』という感じの、昔ながらの職人だったので、必死に目で見て体になじませていきましたね。あの経験があるからこそ、今自分の感覚を信じてかまぼこをつくることができているのだと思います。」
お客様へ向けて一言
「鐘崎の笹かまぼこは、職人がプライドを持ってつくっています。品質、味、食感、どれをとっても一級品であることを自負しておりますが、その中でも特『食感』に注目していただきたいです。鐘崎ならではの『ぷっくら』食感を、ぜひ楽しんでください。」