ボディメイクやアンチエイジングに「タンパク質」は欠かせない栄養素です。
タンパク質を積極的に摂るために、「鶏むね肉」などヘルシーな肉類を日々の食事に多く取り入れている方も多いのではないでしょうか?
30〜40代の女性には、約50g必要とされるタンパク質ですが、タンパク質源として「魚」の存在を忘れてはならないでしょう。
魚はタンパク質が豊富なだけでなく、美容・健康に良いとされる栄養素がたっぷり!
実は、魚のタンパク質の量は肉よりも多い!?
本記事では、タンパク質源としての魚のメリットについてまとめています。
● 魚でタンパク質を摂るメリット
● 健康・美容に良いとされる理由
● どのような食べ方が良いか?
魚のメリットについて知り、食事に積極的に取り入れることで、あなた自身をより美しく健康的に輝かせるきっかけになれば幸いです。
ぜひ最後までご覧ください。
魚は優秀なタンパク質源
「タンパク質」といえば、「筋肉の源」というイメージですが、ヒトの爪や肌、毛髪もすべてタンパク質でできてます。
つまり、タンパク質は「美ボディ・美肌・美髪」の源でもあるのです。
美容のためにも「タンパク質」は積極的に摂取したいですよね。
なによりもまずは健康的な食事から。
タンパク質を多く含む食材とは
タンパク質を多く含む食品といえば、主に「肉類」、「魚介類」、「卵類」、「乳製品」です。
その中でも特に「魚介類」はタンパク質が豊富に含まれています。
以下の表1に、タンパク質を多く含む食品をランキング形式で示します。
表1 タンパク質を多く含む食品ベスト16(水分量40g以上)
順位 | 食品 | 分類 | タンパク質量(g)※100gあたり |
1 | うるめいわし/丸干し | 魚介類 | 45.0 |
2 | しらす干し/半乾燥品 | 魚介類 | 40.5 |
3 | ぶた/ヒレ/焼き | 肉類 | 39.3 |
4 | 鶏むね/皮なし/焼き | 肉類 | 38.8 |
5 | なまり節(かつお) | 魚介類 | 38.0 |
6 | ささみ/ソテー | 肉類 | 36.1 |
7 | くん製(いか類) | 魚介類 | 35.2 |
8 | 鶏むね/皮つき/焼き | 肉類 | 34.7 |
9 | まいわし/丸干し | 魚介類 | 32.8 |
10 | イクラ | 魚介類 | 32.6 |
11 | ささみ/焼き | 肉類 | 31.7 |
12 | ごまさば/焼き | 魚介類 | 31.1 |
13 | 角煮(かつお) | 魚介類 | 31.0 |
14 | すじこ | 魚介類 | 30.5 |
15 | くろまぐろ/赤身 | 魚介類 | 30.4 |
16 | ぶた/もも/焼き | 肉類 | 30.2 |
16品中10品、しかも1位と2位が「魚介類」なんて、ちょっと意外ではありませんか?
「食材の価格」、「手軽さ」、「料理バリエーションの豊富さ」から、「タンパク質=肉類」というイメージが強いですが、実は魚介類も優秀なタンパク質源なのです。
含有量だけを見ても、魚(魚介類)はタンパク質を摂るのにメリットの多い食材といえるのではないでしょうか。
魚は肉に比べて体に優しい!?
魚は肉類に比べ消化が良い傾向があり、また「カリウムを豊富に含む」という特徴があります。
「カリウム」は体内の余分な水分を排出させ、「むくみ」をとる他、「高血圧」や「生活習慣病」予防に効果があるとされています。
以下の表2に、カリウムを多く含む魚介類・肉類をランキング形式で示します。
表2 カリウムを多く含む魚介類・肉類ベスト5 ※100gあたり
順位 | 魚介類 | 肉類 |
1 | ほや(570.0㎎) | 豚ヒレ(430.0㎎) |
2 | さわら(490.0㎎) | 鶏ささみ(410.0㎎) |
3 | かんぱち(490.0㎎) | 鹿肉(390.0㎎) |
4 | しいら(480.0㎎) | 豚もも(350.0㎎) |
5 | まふぐ(470.0㎎) | 鶏むね肉(340.0㎎) |
ランキング外ではありますが、
● 真鱈(450.0㎎)
● ひらめ・うるめいわし(440.0㎎)
● マグロ・かつお(430.0㎎)
など、スーパーでよく見かけるおなじみの魚も、肉類の1位よりカリウムが多く含まれています。
つまり「魚介類」は全体的に「肉類」と比べカリウムが豊富で、
● 整腸作用
● むくみ予防
● 高血圧予防
● 生活習慣病予防
に効果が期待できる「体に優しい」タンパク質源といえるでしょう。
タンパク質源としての魚を摂るメリット
魚には良質なタンパク質が豊富に含まれていることが分かりました。
しかし、魚を摂るメリットはタンパク質だけではありません。
タンパク質の他にも、魚には体に嬉しい栄養素がたくさん含まれているのです。
魚に含まれる栄養素と働き、その他メリットについて紹介します。
魚に含まれる栄養素とその働き
魚に含まれる栄養素で代表的なものには、
● DHA
● EPA
● 鉄分
● ビタミン
● カルシウム
● タウリン
● アスタキサンチン
● アンセリン
などがあります。
それぞれに特徴やメリットがありますので、一つひとつ見ていきましょう。
【DHA】
青魚などに含まれているDHAは、脳内の「記憶・学習」に関わる「海馬」に多く集まっており「脳の栄養素」ともいわれています。
記憶力向上以外にも、「血流改善」、「視力回復」、「アレルギー予防」にも効果的とされています。
【EPA】
青魚に含まれているEPAは、ヒトの体内で合成できないことから「必須脂肪酸」と呼ばれています。
EPAには「血液をサラサラにする」、「中性脂肪値を下げる」といった作用があり、血管年齢を若く保ち、生活習慣病を予防する効果が期待されています。
EPAをより効果的にとるには「刺身」などの生食がおススメです!
【鉄分】
特に女性におススメしたいのがマグロやカツオなどの赤身魚です。
鉄分が豊富な赤身魚は、10人に1人が鉄不足といわれている女性にピッタリ!
「貧血」や「冷え性」の予防にも効果が期待できます。
【カルシウム】
大人の女性はホルモン(エストロゲン)の影響から年齢を重ねるにしたがってカルシウムが失われやすくなっていきます。
さらにカルシウムには骨を作るだけでなく、「肌の水分を保つ」という効果があります。
骨ごと食べられる「小魚」などを積極的に食べるようにしましょう。
【タウリン】
栄養ドリンクにも使われている「タウリン」は、疲労回復や脂肪肝の改善に効果的といわれています。
また「傷んだ髪の修復」にも効果があることが科学的に証明されています。
魚はタウリンが多量に含まれている唯一の食材です。
【アスタキサンチン】
化粧品などにも使われている「アスタキサンチン」は、強い抗酸化作用があります。
アスタキサンチンは「肌のシミ・たるみ改善」などの美容効果だけでなく、「ガン予防」にも効果が期待されています。
【アンセリン】
魚が長時間泳ぎ続けられるのは「アンセリン」という成分のおかげといわれています。
アンセリンには「疲労回復」、「運動能力向上」効果の他にも、「尿酸値を下げる」効果が期待されています。
その他メリット
同じタンパク質源でも、「魚」は「肉・大豆・乳製品」と比較して以下のようなメリットがあります。
【体に脂肪が蓄積されにくい】
肉に含まれている脂肪酸は「飽和脂肪酸」とよばれ、常温では固形の状態です。
一方で、魚に多く含まれている脂肪酸は「不飽和脂肪酸」とよばれ、常温ではサラサラの状態です。
つまり、魚は肉に比べて“体に脂肪が蓄積されにくい”タンパク質源であるということがいえます。
【消化されやすい】
魚のタンパク質は「肉・大豆・乳製品」と比べて、分解速度が早いとされています。
これは、魚のタンパク質が哺乳類や植物のものよりも不安定な構造で、消化酵素による分解を受けやすいためだと考えられています。
参考: 魚肉たんぱく研究所
魚の摂り方と含まれるタンパク質量
魚(いわし)100gあたりに含まれるタンパク質量を調理法や食べ方ごとに紹介します。
タンパク質量の他にも、それぞれに異なるメリットがありますのでご覧ください。
【生・刺身】
タンパク質量:19.2g
メリット: DHA・EPAなどの栄養素が流れ出ない。
【焼魚】
タンパク質量:25.3g
メリット: ビタミンA・ビタミンDなどの脂溶性ビタミンの吸収率が上がる。
【煮魚】
タンパク質量:22.4g
メリット: 食材が柔らかくなり、消化しやすくなる。
【練物】
タンパク質量:11.2g
メリット: 低カロリー、低脂肪、低コスト。少量でも満腹感が得られる。
【缶詰】
タンパク質量:20.7g
メリット: 長期保存が可能。骨も丸ごと食べられる。ミネラルが損なわれにくい。
参考:文部科学省「食品成分データベース」
【その他】
プロテインバー『10BAR』
タンパク質量:11~13g
メリット: おやつとして手軽に食べられる。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
タンパク質源として魚を摂るメリットについてご覧いただきました。
要点をまとめると以下のような傾向があります。
● 肉に比べてタンパク質含有量が多い
● 消化が早く、胃に優しい
● 体に脂肪が蓄積されにくい
● 健康・美容に良いとされる栄養素が豊富
● 調理法や食べ方ごとに様々なメリットがある
魚は良質なタンパク質と健康・美容に嬉しい栄養素が豊富。
美しく健康になるためのメリットがたくさん!
あなたも魚を食べて内側からキレイになりませんか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
なお、タンパク質を1日にどれくらい摂った方がよいのか?目安については、以下の記事を参考にしてください。
【参考資料】
栄養士管理サイト 食べたものが消化するのにどのくらい時間がかかりますか?
健康用語辞典